第1回
老いはどこから来るのか?~老化のしくみとその対策~
静岡県は県を挙げて健康長寿に取り組んでいます。生活習慣により健康寿命、寿命を延ばすこと、つまり老化を遅らせることは可能です。その一方で、長寿の家系があることから遺伝子によっても寿命は影響を受けることが分かります。ヒトが老いる、そのしくみに科学はどこまで迫れているのか?本講座では生物の老化と寿命という基礎的な話からすぐに実行できる日常生活における健康長寿のヒントについて紹介します。
第2回
フェアリーリングの科学とその応用展開 ~人の健康と農業への貢献~
「フェアリーリング」とは、芝草が周囲より輪状に繁茂したり枯れたりした後にきのこが発生する不思議な自然現象です。何故このようなことが起こるのかは歴史上のミステリーでした。私たちは、フェアリーリングを引き起こすコムラサキシメジというきのこから、その現象を引き起こす物質を発見しました。その後、それらの物質が農作物の収量を増加させたり、癌などの病気にも有効であることが明らかになりました。この講座では、研究の発端から最新の成果までを、なるべくわかりやすくご紹介しようと思っています。
第3回
海洋の変容とサクラエビの危機~生態系に何が起きているのか?~
海は私達の暮らしに欠かせないたくさんの恵みや資源を届けてくれます。海なしで私たちの暮らしは成り立ちません。2018年の春漁でサクラエビの漁獲量が2017年の4分の1以下となり、2022年の現在まで期待するほど漁獲量は回復していません。駿河湾で何が起きているのか。温暖化か、富士川河口域の濁りの影響か。ことはそれほど単純ではありません。海水温の上昇や黒潮大蛇行の長期化、栄養塩の循環、プランクトン等の生態系への影響等多くの問題が複雑に絡んでいます。海の変容は、私達には見えないことが多いのです。気候変動下の海の変容と役割が生態系にどう影響するのか、サクラエビ不漁との関係を紹介します。
第4回
緑茶とその成分の生理学的機能性~肥満予防効果を中心として~
戦後、バイオテクノロジーの発展によって、様々な食品成分の生理学的機能性が明らかにされています。そして、古くは漢方薬として使用された緑茶やその成分に関しても、多くの機能性研究が進んでいます。本講演では、これまでに判明している緑茶やカテキン・カフェイン・テアニンなどの緑茶成分による生理学的機能性を紹介するとともに、演者が解明した緑茶の肥満予防作用とその作用成分、さらには作用機序について、詳細に解説します。
第5回
スポーツ栄養学はアスリートのための栄養学?
スポーツ栄養学はアスリートのための栄養学と思われがちですが、アスリートやスポーツ愛好者だけでなく、健康の維持・増進のために運動をする一般の方も対象になります。特に高齢化社会の中で、生活の質を維持していくことは、重要な課題です。フレイル(虚弱)、サルコペニア(加齢に伴い筋肉量が減少した状態)という状況を回避するためにも、運動と栄養の正しい知識を身に着け実行することは必須です。「何を」、「どれだけ」という視点から、更に、「いつ」、「どんな形態のものを」という身体に効果的な栄養素の取り方をスポーツ栄養学の最新の知見と共にお伝えします。
テーマ:「未来につなぐ<食><環境><健康>」
わたしたちのくらしや社会を支える<食><環境><健康>。身近でありながら奥深いテーマを、最前線にたつ研究者が様々なアプローチからの取り組みとその成果をご紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【お申込み方法】
メールもしくお問合せフォームにてお申込みください。
※氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、年齢、電話番号、メールアドレス、参加 希望する回を明記してください。
★メールアドレス→kaiho@suml.cii.shizuoka.ac.jp(ご自身のメールからアドレスを入力してください)
★お問合せフォーム→https://www.secure-v.com/llc/
静岡大学 地域人材育成・プロジェクト部門
本サイトのPDF閲覧にはAdobeReader(無料) のダウンロードが必要です。 |