第1回
感染症の原因ウィルスとその対処法
ウイルスは細菌など他の微生物と違って細胞ではありません。人、動物、植物などの細胞に侵入し、細胞の力を借りて増殖、子孫ウイルスを作ります。増殖の仕方、感染から疾患に至る仕組みはウイルスによって様々です。ウイルスの持つ基本的な特性、感染様式の多様性などを紹介するとともに、新型コロナウイルスとその感染症の特徴の理解を深めたいと思います。
第2回
土砂災害はいつどこでおきるのか?~土砂災害の実態と対策~
2018年西日本豪雨、2020年熊本県球磨川流域での災害、そして今年の熱海での土石流など、近年大規模な土砂災害が相次いで発生しています。そこで、過去の大規模な土砂災害の発生状況を紹介するとともに、土砂災害が「いつ」「どこで」発生しやすいかについて解説をします。また、土砂災害による被害を減らすためにはどんな方法があるのか、土砂災害を減らすための課題は何かについても説明します。
第3回
ALSやガンの原因となる特殊なDNAとは?
生命のカギとなるDNAには、高校生の時に学ぶ二重らせん構造だけでなく、ALSやがんに関係する特殊な構造があります。私たちの研究は、特殊なDNA構造の1つである「グアニン四重鎖構造」と呼ばれるDNAに注目した基礎研究です。このDNAの謎を解明することで、未だ治療法が確立されていない難病を救う治療薬につながるかもしれない、と期待されています。本講座では、私たちの研究も踏まえてわかってきたことを解説します。
第4回
金融情報システムの障害にどう向き合うか~最近の障害事例からの示唆~
わが国金融機関の情報システム(金融情報システム)は、金融決済の社会インフラとして重要性が増しており、一旦障害が発生すると大きな影響が発生します。本講座では、最近の障害事例の調査報告書を題材として、システム障害に対する事業者と利用者の両方からの向き合い方について、一緒に考えたいと思います。
第5回
磁性ナノ粒子の磁化機構解明~がん診断治療技術への応用を目指して~
磁性ナノ粒子はナノサイズの磁石のような材料で、医療応用として身体への負担が極めて少ないがん温熱治療や、体内の磁性ナノ粒子をモニタ可能な画像診断技術が注目を集めています。温熱治療は、投与した磁性ナノ粒子に体外から磁場を加えることで、粒子を発熱させてがん組織を殺傷する方法で、磁性ナノ粒子と磁場によるがんの画像診断を行い、温熱治療を行う診断治療技術が盛んに研究されています。
近年私たちが直面している災害、感染症・難病、システム障害などは、私たちが生きる社会がまだまだ脆弱で、いのちやくらしをおびやかす深刻な課題が山積していることを示しています。令和3年度の静岡大学・中日新聞連携講座は、直面する諸課題を乗り越え、いのちとくらしを守るイノベーション(技術革新・社会変革)の数々を紹介し、これからの生き方・暮らし方を考えます。
静岡大学 地域人材育成・プロジェクト部門
本サイトのPDF閲覧にはAdobeReader(無料) のダウンロードが必要です。 |